お知らせ 2019.09.21
自分が家づくりを通して何がしたいのか、どの専門家なら「任せられるのか」と納得できるのか。
後悔しない為にやるべきことを知りましょう。
家づくりにおいて100点満点ということはまずないと思います。なにかしら減点、つまり後悔はあるものです。
その「後悔」に対しては、「病気」と同じように「対処」と「予防」があります。
ここでは、「予防」について書きます。理解さえしていれば決して「後悔」しないことがほとんどです。
「後悔」しない為に読んでみて下さい。
1)注文住宅で後悔した話
注文住宅で後悔した人の話は検索すれば山のように出て来ます。
お金、間取り、土地…さまざまな後悔があるようです。「ハウスメーカー選び」での失敗や後悔も多いようです。
両親や兄弟姉妹、近隣との人間関係も、数は少なくても内容的にはとっても強い航海になると思います。
2)後悔した結果
新築を建てたけれど、後悔して気分が落ち込むことを「新築ブルー」というのだそうです。
大きな「夢」だっただけに、それが崩れた時、ものすごく大きなストレスになります。
その状態がひどくなれば「鬱(うつ)」になることも。
夢を持って始めた家づくりがこうなっては悲劇です。完成した家に住めず、賃貸にしたり
売るケースもあるようです。
3)なぜ「後悔」が起こるのか?
3-1)圧倒的に無防備(=知識不足)だったから
毎年、「富士山登山」を甘く見て装備がなく怪我をしたり、寒くて動けなくなったりする人が出て来ます。
家づくりも一見、取りかかるのが難しそうではなく、無防備ではじめてしまうため後で後悔します。
なぜか「家ってどうやって作るんだろう?」の次が「とりあえず住宅展示場に行ってみる」です。
富士山のことを何も調べないで、バスで5合目まで行くのと同じ。
その後、登山する人の流れにのって進んで行ってしまいます。
圧倒的に、知識も装備も無防備なのに。
何も知らない。何も準備していない。だから自分で判断するのが難しく、他人から
言われて考えがふらつきます。営業マンの言葉に対してしっかり判断できないまま
家づくりが進みだし…それが多くのケースなのだろうと思います。
3-2)「自分が」意識が強い(=相手を信用しない)
家づくりを考え始めると分からないことだらけなのに気が付きます。「知識がないと付け込まれる」
という気持ちが湧くのかも。
人を信用しないからか、なんでも「自分」が正しいと主張します。まわりのアドバイスも
受入れません。視野も狭く、部分部分で考えるから、後でおかしいことに気づきますがもう遅く
「後悔している」と言います。
極端な表現ですが、建て主建築業者の関係を「対立」で考えるパターンです。
信頼感もなく「なぜ言った通りにできない?」と言われれば、「お金だけもらえば、どうでもいいや」
となります。これがトラブル発生原因のひとつ。相手も「感情ある人間」です。
3-3)基準がない
自分の価値観や「好き」の基準がないと、自分の判断や選ぶことに自信が持てなくて、悩みます。
決めた結果を後になって「やっぱりもう一つの方だったかも」と後悔することになります。
ハウスメーカーを選ぶにしても、「キャンペーンだから」と言われ”無料”が付いたり、”限定キャッシュバック”
があったり、自分にとって都合のいい条件があると「なんとなくいい会社」と評価したりしてしまいます。
それって「よい家を作ってもらう会社」として評価する基準になるのでしょうか?
4)「後悔」しないためにやるべきこと
4-1)家を作る目的(=本当に実現したいことは?)
「夢のマイホーム」とよく言いましたが、それは間違いです。
「家」を手に入れることが夢ではなく「こんなふうに暮らしていたい」が夢であり実現したい『目的』です。
「家」は夢を実現するための「手段」であり「道具」なのです。
たとえば、「かっこいい家を作って注目されたい」というのが目的なら、新進気鋭の若い
建築家に依頼して立てればいいと思います。ただし、使い勝手や暮らしやすさには目をつぶりましょう。
かこいい家なのですから。
実現したい目的が何なのか?それが実現し「目的」が達成したなら、その他のことは
「まあしょうがない」と思うくらいの気持ちを持ちましょう。100%完璧な家などないのです。
4-2)自分の基準を持つ(=人任せにしない)
誰にも「好き」な物(こと)があります。それはどんな基準なのか自分のことを理解しましょう。
それが分かっていれば、家づくりで、いろいろなことを決める時に、迷いもブレなくなります。
つまり、「後悔」が少なくなります。でも、判断する基準がなかったら「ひと任せ」になってしまいます。
「ひと任せ」だから「本当はそうじゃなかった…」という思いが起こり、場合によっては相手を責めることにもなります。
決めるという事には「責任」が伴うのです。
4-3)様々なことを想定する(=時間をかけ学ぶ)
家づくりにはある程度の勉強は必要です。s時も「自分の基準」が役に立ちます。
それがないと調べるほど迷います。むしろ不安が強くなります。
「自分に必要な事か?」客観的に見なければなりません。
基準があれば、それが出来ます。例えば、次のようなことを調べたり、考えたりすると良いでしょう。
1.家づくりはどういう手順で進む?
2.どういう造り方がある?
3.誰に頼む?
4.どういうお金がいつ必要になる?
5.「後悔」の事例から、それがなぜ起こったのかを知り「失敗」が起こった時のことも想定してみる。
(きりがないのでほどほどに)
家づくりの具体的な行動を起こす前に、半年とか1年とか学ぶ時間を作りましょう。
人に会って話を聞いてみたり、勉強として見学してみたりするといいでしょう。
4-4)誰のために家なのか?(=我慢をしない)
まずは自分の実現したいことを考えて下さい。我慢ばかりしてきた家でこれからの暮らしが楽しくなりますか?
あなたが「うれしい」なら家族もうれしくなります。ただし、それは「我を通す(我がまま)」とは違います。
パートナーにも子供にも「出来たらいいな」があります。よく話をして相手の気持ちを尊重し、折り合いをつけましょう。
4-5)任せる(=ひとりでやる事を手放す)
注文住宅を建てる場合「お客と業者」という構図ではなかなかうまくいかないかもしれません。
家づくりにおいてすべてのことを理解し全て自分で判断するということは現実には無理です。
ということは任せるしかないのです。
しかし、ここまで読んでもらっていればわかると思いますが、『無防備に任せる』という事ではありません。
任せるのは、自分の責任です。そのためには『信頼』が必要です。「時間をかけて学ぶ」中で一番大切なのは、
人や会社を信頼するかどうか判断する根拠を手に入れることと言っていいかもしれません。
家づくりで後悔しないための最良の方法は、「信頼できる人と作る」なのです。
5)主体的家づくりと依存的家づくり
家づくりとは、施主・設計・施工という三者のチームでやるものです。
「主体的家づくり」とは、家づくりというプロジェクトにおいて自分がリーダーになることです。
誰を選ぶのか?そして、どういう目的かを明確にすることが役目です。
チーム中で平等に責任があります。
「依存的家づくり」とは、あまりに何も知らないことを見透かされ、業者に指導され、依存しなければ
進まなくなることです。決めたことは”自分の責任”ですが、業者の責任回避のために「あなたが決めた」
とされてしまいます。「お金を払うのは私だ」と権力者のようになってチームを支配しようとする場合も
逆の意味で「依存的家づくり」になりますが。、良い結果にならないことは目に見えています。
「主体的家づくり」も「依存的家づくり」もどちらも失敗や後悔する部分はありますが、
あきらかに「依存的家づくり」では後悔が多いです。
改めて「後悔」とは何か?というと、それは「不安」なのだと思います。
起きたことに対してどうしていいか分からないから「不安」です。
「あの時こうしておけば…」と「過去」を悔やみます。
その時に「不安」なまま決めてしまったからです。
ひとりで何でもやるのではなく、パートナーとなる設計者や施工会社とチームをつくり
進めることを考えてみて下さい。信頼できるパートナーがいるから「安心」出来ます。
「主体的な家づくり」では、関わる人はみな最善を尽くします。
それでも100%完璧にはなりません。どこかにミスはありますが、信頼関係のあるチームなら
すぐに対応してくれます。安心できますね。
「安心」を得ることこそが「主体的な家づくり」の最大のメリットです。
その結果、「後悔」も少なくなります。
事前に学ぶ時間をしっかりととり「主体的な家づくり」をしてください。