お知らせ 2019.09.28
玄関を見れば、そこに住まう人の人となりが分かると言われています。
住まいの顔となる大切な玄関ドアにはどのようなものがあるのか、ご紹介しましょう。
玄関とは
最近、建物のデザインの変化に合わせて玄関ドアにもいろいろなタイプが増えてきましたね。
その家の顔というべき玄関については、何よりも迷われる方が多いのではないでしょうか。
そもそも『玄関』ってなんでしょうか?
玄関の語源
玄関という言葉はどこからきているのでしょうか?
老子道徳経一章に、「道の道とすべきは常の道にあらず。名の名とすべきは常の名にあらず。
無名は天地の始め、有名は万物の母なり。故に常に無はもってその妙を観と欲し、
常に有はもってその妙を観んと欲し、常に有はもってその徼を観んと欲す。
この両者は同出にして名を異にす。同じく之を玄と謂う。玄のまた玄衆妙の門となり。」
という言葉があり、これが玄関となった様です。
なぜ日本の玄関ドアは外開きが多いの?
海外の住宅を見ると、ほとんどのドアが内開きであることに気づきます。玄関ドアは、
もともと引き戸の文化であった日本において、明治~大正時代に建てられる様になった
西洋建築から積極的に使われるようになりました。もちろん内開きです。
しかしながら、住宅の玄関ドアとして使われ出すと、日本の生活様式に合わせて
外開きのドアが主流となり、現在に至っています。
外開きのメリット
外開きの玄関ドアのメリットは、2つあります。一つは玄関のスペースを最大限に使用することができること。
もう一つは外の汚れや埃を室内に入れないことです。
日本は、靴を脱いで家に上がる習慣があるので、当然玄関には靴を置くことが多くなります。
また、来客などがあれば、お客様の靴も含めて沢山の靴が玄関に置かれますので、内開きだと
お客様の靴を傷つけたりする恐れがあるので必然的に外開きになった様です。
それから玄関が外開きだと雨や台風が多い日本において、その雨や埃などが玄関ドアを開けた時に
室内に入ってくる(雨水がしたたり落ちる)ので、外開きが選ばれたと言われています。
内開きのメリットは?
なぜ欧州ではドアが内開きなのか欧州のドアメーカーさんに聞きました。
一つは、『建物の外側は公共のスペースなので、外側に開くのは好ましくない』
という事でした。さらに、外に開いたドアが人や物にぶつかった時、その責任が家主に及ぶとのことでした。
もう一つは玄関が外開きだと、お客様を一歩下がらせる必要が生じるので、失礼にあたる説明してくれました。
玄関ドアの種類
玄関ドアには大きく分けて2つ種類があります。
1.開き戸(ドア)
2.引き戸(スライディング)
開き戸は、外側(または内側)に開くドアのことで、片開き戸と呼ばれるドアのみが開閉するものから、
両開き戸(親子ドア)と呼ばれる開口を広く取れるものまで数多くの種類があります。
一般的には片開き戸が多いのですが、ベットやソファーなど大きな荷物の出し入れが必要な時、
もう少し広くしておけば良かったという声を聞くことがあります。
引き戸の場合、開口が大きく取れ段差のないバリアフリーが実現できるので人気が高まっています。
それに、引き戸ならではの機能として自動ドアも選ぶことができます。
車椅子での生活やお子様を抱えての出入りの時、この自動ドアが活躍します。
また、玄関前が駐車場スペースになっていたり、子供の自転車や宅配ボックスなどが
玄関の前においてあったりして、ドアを開けるとき邪魔になることがあります。
玄関ドアの素材
玄関ドアの素材には、面に4つの素材が使われています。
1.アルミ製
2.鋼板(スチール)製
3.木製
4.樹脂製
一番多いのがアルミ製です。以前は見るからにアルミ製だと分かるものが多かったですが、
最近は少なくなってきました。アルミの塗装技術が向上したことや、表面にシートを貼ることで
素材感を変えたりすることで、アルミのネガティブな部分を払拭しています。
さらに、表面に天然木を貼り付けることによって耐久性と天然木の素材感を両立した製品も出ています
ので、選択の幅が広いのもアルミ製の特徴です。
次に、根強い人気があるのが木製の玄関ドア。建物の外観に合わせて選ぶ方が多いですね。
木製の玄関ドアには国産もありますが、日本に合わせた外開きの輸入品もあるので、選択の幅が
広がっています。アルミ製と違って木製の玄関ドアの場合は、表面の再塗装や半年~1年に一度
オイルを塗るなどの定期的なメンテナンスが必要となりますので、メンテナンスフリーを好まれる方は
アルミ製に天然木が貼り付けてあるタイプのものがいいと思います。
また、鋼板(スチール)製のドアも防火・防音・防犯性が高いので、高級な玄関ドアとしてよく使用されます。
以前は色々なデザインのものが多かったのですが、最近ではシンプルなデザインが多く集合住宅などに
使用されています。
そして、最後に樹脂製の玄関ドア。最近ではほとんど見かけなくなりましたが、寒冷地など高い断熱性能が
必要なエリアで使われています。日本ではあまり馴染みがありませんが、欧州やお隣韓国では普通に使われている
素材です。軽くて加工しやすく、断熱性が高くて腐食に強いことが特徴として挙げられます。
玄関ドアの性能
玄関ドアに求められる性能は、主に断熱性能と防火性能です。断熱性能はゼロエネルギー住宅には欠かせないもので、
近年急速に性能が上がっています。また、都市部など住宅が密集している場所など火災による延焼のおそれのある
地域においてはある一定の防火性能が必要になります。
断熱性能については、これまで木製の玄関ドアの断熱性が高いとされて来ましたが、最近ではウレタンなどの
断熱材を内部に充填することでアルミ製の玄関ドアの断熱性能も飛躍的に向上し、寒冷地でも使える
玄関ドアが増えています。
また、防火性能についても断熱性能と素材によらず防火対応した玄関ドアが揃っていますので安心です。
各メーカーでは、地域ごとに最適な玄関ドアの性能を分かりやすく説明しているので、参考にすると良いでしょう。
玄関ドアを楽しみましょう
玄関でその家に住む人の人となりが分かると言われています。
住まう人にとっては、毎日出入りする出入り口であり、来訪者を迎える大切な入口です。
逆に、好まざる来訪者(泥棒など)をいかに防ぐか防犯上とても重要な入口であり、
他人が気安く往来してもらっては困る「関門」でもあります。
このような大切な場所だからこそ、デザインや性能にこだわり、いつまでも大切にしたい
玄関にしてほしいと思います。そのためにも玄関ドア選びはとても重要です。
納得いく玄関ドアが見つかるといいですね。